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4E卒研始めてます

 4E学生の卒研が始まっています。後期中間試験のため一時中断していましたが、無事試験も終わって再開しました。再開後最初は、シリコンウェハーのカットを学んでもらいました。シリコンの単結晶が、ミラー指数に従ってキレイに割れることを体験してもらいました。

 研究室には、直径4インチ(100 mm)の(100)単結晶ウェハーを用意しています。産業用では12インチ(300 mm)サイズが主流ですが、研究用途には4インチが使い勝手良いです。ただし、そのまま使うと大きすぎますので、ダイヤモンドカッターで適当なサイズにカットします。

ダイヤモンドカッターでシリコンウェハー表面に傷を付けています。

 実際に作業しながらミラー指数を復習します。3年生の時に座学で習っているそうですが(※科目担当じゃないのでよく知らなくて)、実際に体験してみたらそれがよく分かります。世界的に有名な半導体工学の教科書「S. M. Sze, Semiconductor Devices: Physics and Technology」を片手に学んでいます。

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図書コーナー開設と基礎学力

 研究室内に図書コーナーを開設しました。関係する専門書籍を各複数冊揃えました。研究室学生さん達の勉強の一助になればと。もちろん、別途個人所有しています。放電・真空という基盤研究内容の他、ラマン分光・X線光電子分光という解析法も揃えました。専攻科の授業で高周波工学をやっていますので、その関係書籍もです。IGOR Proは、研究室で使用しているグラフソフトです。

図書コーナーです。

 本来、本というものは自分で揃えるものではありますが、専門書というのは価格が高いので、ある程度のサポートは要るかと思います。ま、バランスですね。それに、「スタートラインを揃える」を教員としてのモットーにしていまして、経済的格差が学業の妨げになってはいけないと思っています。ま、遊ぶお金があれば・・・と思うのは、いつの時代でも同じですけどね。

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素直じゃないです

 学生指導をしていて、その学生が失敗する度に、「最初から言うこと聞いておけよ~」と思うことが度々あります。でもね、振り返ってみると、一番言うこと聞かないのは私自身だなと思います。

 我ながら、自分で経験してみないと気が済まない性格です。それが成功ならば問題はないです。しかし、それがたとえ失敗と分かっていても、自分でその失敗を経験してみないと気が済みません。そしてその失敗で結局悩み落ち込むんですから、他人から見たら度し難いですよね。

 気が済まない性格なので、他者の領分、つまり他人の仕事には一切立ち入らないように心得てきました。やっていることが気になりますから。しかしそうすると、却って「協調性がない」などと非難されます。我ながら、困った性格です。

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進路指導に思う

 最終学年5年生担任の最重要業務である進路指導は落ち着きました。大変な面もありましたが、学ぶことも多く実りある業務だったと思います。落ち着いたので、進路指導についてちょっと考えてみたいと思います。

 昔から今まで解決できていない社会的課題として、教育と就職活動(就活)との折り合いが挙げられます。教育機関、というより現場の教育者の中では、「就職活動は個人の問題で学校教育とは関係ない」と思う人が大多数です。就活のために学業が疎かになることを好ましく思っていません。

 一方、学生の立場からすれば、学校へは費用を払って行っているのだから、個人問題である就活にどうこう言われたくないでしょう。学校を習い事の一つと考えればね。また、受け入れる企業としても、優秀な学生を確保したいのは自身の存亡に関わることですから、積極的にもなります。いくらIT化が進んでいるとしても、やはり企業は人財です。

 結局、就活解禁に関する紳士協定で何とか矛盾を凌いでいるところです。毎年ニュースを賑わしますね。

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師走を控えて

 今回の仙台への旅の目的は、東北大学での共同実験測定と炭素材料学会年会への出席でした。研究室3年目の目標として学会アピールを掲げていましたが、今回で全て終了となりました。でも掲げたとはいえ、不始末多くエラーばかりが目立った1年でした。

炭素材料学会年会会場の東京エレクロンホール宮城です。雪が少し降っていましたが、さほど寒くはなかったです。

 この1年は、忙しすぎて脳みそがスパークする日々でした。リ○ビタンD、モ□スター、レッド△ルが欠かせない日々で、「もう無理・・・」と何度思ったことか。我ながら仕事はこなせる方だと思っていましたが、さすがにキツかったです。そしていつの間にか、医者をハシゴするようになりました。

 「今倒れても、神さまはきっと許して下さる」とね。

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担任は花形

 高専と大学は共に高等教育機関に分類されますが、最も違う点があります。研究ではありません。担任業務です。確かに大学にも担任業務がありますが、高専ほど学生の人生に深く関わることはないでしょう。

 昨年度は4年生、今年度は5年生の最終学年の担任をしています。所属するエネルギーコースの慣例により、4年から5年は持ち上がりです。彼ら創造工学科第4期生エネルギーコース生が3年生の時には副担任を勤めていましたから、ずっと深い関係が続いています。

 特に最終学年では、進路指導が重要な業務になってきます。大学ではフリーだったり、研究室指導教員単位になったりしますが、高専では担任がまとめます。彼ら一人一人、保護者も交えながら、進路を一緒に考えていきます。就職するか大学/専攻科へ進学するか、そしてどのような人生を目指すのかを考えます。担任は、学生一人一人がどのような進路を歩めば幸せになれるかを一生懸命考えます。模範解答はありません。

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仙台で、今更ながら

 ただいま後期中間試験中ですが、所用あって東北の都仙台にやって来ました。試験監督を済ませた後、夕刻高専を出て、夜に仙台に着きました。たった数時間で、大牟田から1000 km以上も離れた仙台です。

 いつものように西鉄天神経由で福岡空港からでした。天神の街ですれ違った多くの人々、仙台ですれ違う人々、両者うち一体どれほどの人がお互いを知る機会があるのでしょうか。外見はさほど変わらなくても、1000 kmも離れれば人柄は大きく異なるでしょう。見慣れた光景ながら、今更不思議な感じがします。

夜の仙台駅前です。右端の建物が仙台駅です。見慣れた風景ではありますが、九州からたった数時間で来られることに今更ながら不思議な思いです。

 ただ一つ確実に言えることは、先週末の方が寒かったです。玄界灘最強!!

お国柄と住めば都

 九州に来て4年目です。無謀にも、何の縁も所縁もない土地に来て、当初はうまくやっていけるかなーと不安でした。「九州男児」とか「肥後もっこす」とか、めんどくさい人が多いんだろうなーと不安でした。昔、博士取ってすぐの半年間は筑豊に住んではいましたけど、当時はインド人・韓国人・ドイツ人の同僚研究者とばかりで、地元の人と会話することがまずなかったので、カウント外かと。

 けれども、来てみれば皆さんフレンドリーです。九州男児や肥後もっこすは皆無です。もう、都市伝説かと思うくらい。担任として若い学生さん達と接するにも、校内の職員さん達と接するにも、先生方と接するにも、支障ありません。そりゃ、揉めることもないわけではないですが、後には引かないかな。妙にうまくいくなーと。端的に言うと、オープンな気質の人が多いです。

 最近、室町幕府の二元政治体制に興味があり、関連する本をいくつか読んでいます。初期の尊氏と直義の兄弟げんか(というより、足利一門とそれ以外(高氏)との確執かと)ではなくて、その後の京の幕府と鎌倉府との関係の方です。征夷大将軍となった足利将軍家にとって、何故鎌倉府という、身内ではあっても同格にも等しい組織が必要だったのかが不思議で。鎌倉府の存在は結局、後の戦国時代の引き金の一つになりました。そりゃ、そうですよね。

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2023年度応用物理学会九州支部学術講演会

 11/25(土)・26(日)は、九州大学 伊都キャンパスで「2023年度応用物理学会九州支部学術講演会」でした。5年生3名4件の発表をしました。日頃の鍛錬の成果を世に問うことと、年明けに迫ってきた卒業研究発表会の予行演習も兼ねてでした。

 私が初日朝イチに座長を指示されていたこともあって、前日24(金)に皆で前泊しました。福岡県最南端の大牟田から、県内縦断して北西端の伊都キャンパスへ通うのはしんどいので。福岡市内のホテルは高すぎたため、大学の最寄り駅(JR筑肥線 九大学研都市駅)から数駅唐津側の筑前前原駅そばのホテルにしました。しかし、北の玄界灘が近いこともあってか、

ホテルそばの筑肥線 筑前前原駅です。福岡県北西部のターミナルで、便利です。けど、寒い・・・。

「寒い!!」

でした。風が身に染みました。九州ですよ、ココ。

 翌朝イチで会場に向かいました。会場は、九大のセンターゾーンと呼ばれている領域にあるセンター2号館という建物でした。しかしこの建物、外廊下なので、

看板です。会場は最奥の建物です。秋も終わりで陽が昇るのが遅く、逆光がキツかったです。

「寒い!!」

でした。会場内はガッツリ暖房となっていました。

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いも天

 先日、いつものように行きつけのスーパーにファミリーで行きました。すると、ふと「いも天」専用の粉が目に留まりました。高知名物のやつですよね。気になったのでサツマイモと共に買って帰り、作ってみました。ただし、私は食べる係です。

いも天です。

 これが美味い!!

 なかなかのものでした。

福岡大学で実験

 遡ること11/11(土)、福岡大学 工学部の篠原 正典先生を訪ねて、先生ご所有の触針式段差計を使用させて頂きました。触針式段差計はサンプルに優しく針を当てて、サンプルの凹凸をなぞってそれを測定する装置です。九州大学にて作製したDLCデバイスのDLC膜厚を測りに行きました。mm四方のnmの凹凸を測定です。類似装置に原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope, AFM)がありますが、こちらはより狭い範囲(μm四方)を原子レベルでより細かく測るもので、タイムパフォーマンスで両者を使い分けます。いずれにしても、どちらも数百万円する装置ですので、手が届きません。というわけで、お借りしに伺いました。

毎度お世話になります。

 本来は学生さん達と同行する予定でしたが、ちょうどインフルエンザで休講措置になったため、私一人で伺いました。

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研究室4年目始動!!

 11/15(水)、4年生が研究室配属されました。前週がインフルエンザで全校休講となったため、1週間遅れのスタートです。今年度の4年生は全体数が少ないので、3名の配属となりました。しかし、いずれも優秀な学生さん達でして、年々研究室が充実していきます。私も頑張らねばです。総勢10名で、研究室としては4年目の新シーズン始動です。

 新シーズンのスローガンは、「電子デバイス展開と論文執筆」です。

スローガン一覧です。

 昨年度から始まった九州大学と九州沖縄地区高専9校との連携プロジェクトのおかげで、電子デバイスへの展開ができるようになりました。自前で設備投資するのにはしんどいなーと悩んでいたところの僥倖です。折角の機会を逃さず、鋭意努力していきたいと思います。高専一校で全て賄うことは困難ですが、手の届く範囲に施設(佐賀県工業技術センター九州シンクロトロン研究センターなど)が揃っていますので、悪くはない環境と思います。

 4年前、無一文で無謀にもこちらにやってきました。これに限らず、我が人生を振り返ると、結構無謀なことしてきました。無事生きていることが不思議です。良い子は決して真似をしてはいけません。けど幸い、装置環境も整ってきました。5年間の企業生活での留守を取り戻すための学会アピールも、一通り済ませたかと思います。学生さん達の頑張りでデータも揃い、校務も慣れてきましたので、新シーズンは論文を鋭意執筆していきたいと思います。