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属人化を考える

 後期は卒業を間近にした5年生に対して、「信頼性工学」という授業を担当しています。言い換えれば「品質管理」の話をしています。

 純学問的にしてしまうと無味乾燥な統計計算ばかりの話になってしまうので、就職を控えた学生さん達には、企業/組織に勤める際への心構え的なことも教えています。ある面では新人研修みたいな感じになっています。あ、「おまえが言う?」は、ナシで(^_^;)

 そんな中で、「属人化の排除」、すなわち「特定の人しかできない仕事を作ってはいけない」という話をしています。広く一般に学生さん達の中には、「企業勤めは社会のネジ/歯車になるのでイヤだ~」と言う人達がいます。そういう意見に対して、「属人化の排除をベースにしないと企業活動は成立しない」ということを説いています。皆さんが求める創造は、その上にこそ成り立つと。

授業スライドの一コマです。
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セカンドカー

 業務体制改善の一環として、セカンドカー(2nd. car)すなわち2台目の車を購入しました。

 ここ有明地域は車社会です。バスは、福岡県が西鉄バス王国ということと、九州自体がバス大国ということもあり、そこそこの本数が走ってはいますが、県境ということもあり生活するにはやや不便です。福岡県(大牟田市)側は西鉄バスが走っていまして、一部が熊本県側の荒尾駅や南関町まで乗り入れています。西鉄(西日本鉄道)は社の方針でしょうか、福岡県内で完結することを基本方針としているようですので、例外措置ですね。一方、熊本県(荒尾市)側は産交バスが走っています。こちらは県境ギリギリの四ツ山までとして、県境を越えることはありません。県境、つまり大牟田市と荒尾市の境は地元民でも分かりにくいですので、県境で何かしら途切れることは不便ではあります。

 また高専には車通勤ですので、長時間勤務になるとずっと校内に駐車となっていてファミリーとして不便でした。有明高専は街外れにありますからね。

 新年から研究や論文執筆に本腰を入れようと思うと、現在の自家用車1台体制では不便ということで、2台目を買うことにしたわけです。業務体制改善です。といっても、新車は経済的にしんどいので、地域内で乗り潰すつもりで安い中古車を買うことにしました。現有車のローンも完済しましたし。

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佐賀県庁行ってきました

 本日は校務打ち合わせのため、佐賀県庁に行ってきました。有明高専は福岡県大牟田市所在で、学生寮は熊本県荒尾市と、福岡-熊本県境を跨いで位置しています。でも、我が研究室が一番お世話になっているのは、佐賀県です。佐賀県工業技術センター九州シンクロトロン光研究センターは、佐賀県のものです。佐賀県様には足を向けて寝られません。

 今回は研究関係ではなくて、校務関係で行ってきました。初めての佐賀県庁でした。歳は取っても、フットワークはまだ若いもんには・・・です。

 いやー、行ってみると、えらくオシャレな空間でした。都道府県庁ってこんなんでしたっけ? 佐賀県すげー。

玄関ロビーがオシャレ。
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4E卒研始めてます

 4E学生の卒研が始まっています。後期中間試験のため一時中断していましたが、無事試験も終わって再開しました。再開後最初は、シリコンウェハーのカットを学んでもらいました。シリコンの単結晶が、ミラー指数に従ってキレイに割れることを体験してもらいました。

 研究室には、直径4インチ(100 mm)の(100)単結晶ウェハーを用意しています。産業用では12インチ(300 mm)サイズが主流ですが、研究用途には4インチが使い勝手良いです。ただし、そのまま使うと大きすぎますので、ダイヤモンドカッターで適当なサイズにカットします。

ダイヤモンドカッターでシリコンウェハー表面に傷を付けています。

 実際に作業しながらミラー指数を復習します。3年生の時に座学で習っているそうですが(※科目担当じゃないのでよく知らなくて)、実際に体験してみたらそれがよく分かります。世界的に有名な半導体工学の教科書「S. M. Sze, Semiconductor Devices: Physics and Technology」を片手に学んでいます。

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図書コーナー開設と基礎学力

 研究室内に図書コーナーを開設しました。関係する専門書籍を各複数冊揃えました。研究室学生さん達の勉強の一助になればと。もちろん、別途個人所有しています。放電・真空という基盤研究内容の他、ラマン分光・X線光電子分光という解析法も揃えました。専攻科の授業で高周波工学をやっていますので、その関係書籍もです。IGOR Proは、研究室で使用しているグラフソフトです。

図書コーナーです。

 本来、本というものは自分で揃えるものではありますが、専門書というのは価格が高いので、ある程度のサポートは要るかと思います。ま、バランスですね。それに、「スタートラインを揃える」を教員としてのモットーにしていまして、経済的格差が学業の妨げになってはいけないと思っています。ま、遊ぶお金があれば・・・と思うのは、いつの時代でも同じですけどね。

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素直じゃないです

 学生指導をしていて、その学生が失敗する度に、「最初から言うこと聞いておけよ~」と思うことが度々あります。でもね、振り返ってみると、一番言うこと聞かないのは私自身だなと思います。

 我ながら、自分で経験してみないと気が済まない性格です。それが成功ならば問題はないです。しかし、それがたとえ失敗と分かっていても、自分でその失敗を経験してみないと気が済みません。そしてその失敗で結局悩み落ち込むんですから、他人から見たら度し難いですよね。

 気が済まない性格なので、他者の領分、つまり他人の仕事には一切立ち入らないように心得てきました。やっていることが気になりますから。しかしそうすると、却って「協調性がない」などと非難されます。我ながら、困った性格です。

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進路指導に思う

 最終学年5年生担任の最重要業務である進路指導は落ち着きました。大変な面もありましたが、学ぶことも多く実りある業務だったと思います。落ち着いたので、進路指導についてちょっと考えてみたいと思います。

 昔から今まで解決できていない社会的課題として、教育と就職活動(就活)との折り合いが挙げられます。教育機関、というより現場の教育者の中では、「就職活動は個人の問題で学校教育とは関係ない」と思う人が大多数です。就活のために学業が疎かになることを好ましく思っていません。

 一方、学生の立場からすれば、学校へは費用を払って行っているのだから、個人問題である就活にどうこう言われたくないでしょう。学校を習い事の一つと考えればね。また、受け入れる企業としても、優秀な学生を確保したいのは自身の存亡に関わることですから、積極的にもなります。いくらIT化が進んでいるとしても、やはり企業は人財です。

 結局、就活解禁に関する紳士協定で何とか矛盾を凌いでいるところです。毎年ニュースを賑わしますね。

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師走を控えて

 今回の仙台への旅の目的は、東北大学での共同実験測定と炭素材料学会年会への出席でした。研究室3年目の目標として学会アピールを掲げていましたが、今回で全て終了となりました。でも掲げたとはいえ、不始末多くエラーばかりが目立った1年でした。

炭素材料学会年会会場の東京エレクロンホール宮城です。雪が少し降っていましたが、さほど寒くはなかったです。

 この1年は、忙しすぎて脳みそがスパークする日々でした。リ○ビタンD、モ□スター、レッド△ルが欠かせない日々で、「もう無理・・・」と何度思ったことか。我ながら仕事はこなせる方だと思っていましたが、さすがにキツかったです。そしていつの間にか、医者をハシゴするようになりました。

 「今倒れても、神さまはきっと許して下さる」とね。

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担任は花形

 高専と大学は共に高等教育機関に分類されますが、最も違う点があります。研究ではありません。担任業務です。確かに大学にも担任業務がありますが、高専ほど学生の人生に深く関わることはないでしょう。

 昨年度は4年生、今年度は5年生の最終学年の担任をしています。所属するエネルギーコースの慣例により、4年から5年は持ち上がりです。彼ら創造工学科第4期生エネルギーコース生が3年生の時には副担任を勤めていましたから、ずっと深い関係が続いています。

 特に最終学年では、進路指導が重要な業務になってきます。大学ではフリーだったり、研究室指導教員単位になったりしますが、高専では担任がまとめます。彼ら一人一人、保護者も交えながら、進路を一緒に考えていきます。就職するか大学/専攻科へ進学するか、そしてどのような人生を目指すのかを考えます。担任は、学生一人一人がどのような進路を歩めば幸せになれるかを一生懸命考えます。模範解答はありません。

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仙台で、今更ながら

 ただいま後期中間試験中ですが、所用あって東北の都仙台にやって来ました。試験監督を済ませた後、夕刻高専を出て、夜に仙台に着きました。たった数時間で、大牟田から1000 km以上も離れた仙台です。

 いつものように西鉄天神経由で福岡空港からでした。天神の街ですれ違った多くの人々、仙台ですれ違う人々、両者うち一体どれほどの人がお互いを知る機会があるのでしょうか。外見はさほど変わらなくても、1000 kmも離れれば人柄は大きく異なるでしょう。見慣れた光景ながら、今更不思議な感じがします。

夜の仙台駅前です。右端の建物が仙台駅です。見慣れた風景ではありますが、九州からたった数時間で来られることに今更ながら不思議な思いです。

 ただ一つ確実に言えることは、先週末の方が寒かったです。玄界灘最強!!

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お国柄と住めば都

 九州に来て4年目です。無謀にも、何の縁も所縁もない土地に来て、当初はうまくやっていけるかなーと不安でした。「九州男児」とか「肥後もっこす」とか、めんどくさい人が多いんだろうなーと不安でした。昔、博士取ってすぐの半年間は筑豊に住んではいましたけど、当時はインド人・韓国人・ドイツ人の同僚研究者とばかりで、地元の人と会話することがまずなかったので、カウント外かと。

 けれども、来てみれば皆さんフレンドリーです。九州男児や肥後もっこすは皆無です。もう、都市伝説かと思うくらい。担任として若い学生さん達と接するにも、校内の職員さん達と接するにも、先生方と接するにも、支障ありません。そりゃ、揉めることもないわけではないですが、後には引かないかな。妙にうまくいくなーと。端的に言うと、オープンな気質の人が多いです。

 最近、室町幕府の二元政治体制に興味があり、関連する本をいくつか読んでいます。初期の尊氏と直義の兄弟げんか(というより、足利一門とそれ以外(高氏)との確執かと)ではなくて、その後の京の幕府と鎌倉府との関係の方です。征夷大将軍となった足利将軍家にとって、何故鎌倉府という、身内ではあっても同格にも等しい組織が必要だったのかが不思議で。鎌倉府の存在は結局、後の戦国時代の引き金の一つになりました。そりゃ、そうですよね。

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2023年度応用物理学会九州支部学術講演会

 11/25(土)・26(日)は、九州大学 伊都キャンパスで「2023年度応用物理学会九州支部学術講演会」でした。5年生3名4件の発表をしました。日頃の鍛錬の成果を世に問うことと、年明けに迫ってきた卒業研究発表会の予行演習も兼ねてでした。

 私が初日朝イチに座長を指示されていたこともあって、前日24(金)に皆で前泊しました。福岡県最南端の大牟田から、県内縦断して北西端の伊都キャンパスへ通うのはしんどいので。福岡市内のホテルは高すぎたため、大学の最寄り駅(JR筑肥線 九大学研都市駅)から数駅唐津側の筑前前原駅そばのホテルにしました。しかし、北の玄界灘が近いこともあってか、

ホテルそばの筑肥線 筑前前原駅です。福岡県北西部のターミナルで、便利です。けど、寒い・・・。

「寒い!!」

でした。風が身に染みました。九州ですよ、ココ。

 翌朝イチで会場に向かいました。会場は、九大のセンターゾーンと呼ばれている領域にあるセンター2号館という建物でした。しかしこの建物、外廊下なので、

看板です。会場は最奥の建物です。秋も終わりで陽が昇るのが遅く、逆光がキツかったです。

「寒い!!」

でした。会場内はガッツリ暖房となっていました。

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