今週、学生の皆さんは学年末試験に勤しんでいますが、私の方は佐賀県鳥栖市にあります「佐賀県立九州シンクロトロン研究センター」、略称「SAGA-LS」という放射光実験施設で実験です。ゲストハウスに泊まり込みながらです。
何やるかって? 炭素材料の光電子分光(photoelectron spectroscopy)です。
一般に、物質に光(電磁波)を当て、その透過、吸収、反射などを測定して物質の化学状態や構造を調べることを、分光学(spectroscopy)と言います。光は波長によって、X線などの放射線からコタツでお馴染み赤外線まで分類されます。波長により物質(含生物細胞)への化学的・物理的・生物学的作用が異なりますので、目的に応じて波長を選択します。レントゲン写真も、広い意味では分光学の一つです。
光電子分光では、一般にX線と呼ばれている放射線の一種を使います。私は、光電子分光法の他に、レーザーを使うラマン分光法(Raman spectroscopy)を専門にしています。そう、物理・化学・電気の時空の狭間に生きる人間です。
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