着任してから毎年、後期中間試験を終えて冬休みを跨ぐこの時期に「電気磁気学II Advanced」という補講をしています。正式な単位科目ではなくて、ボランティアでやっています。
正規授業「電気磁気学I」と「電気磁気学II」では、最終的にMaxwell方程式の応用として、表皮効果と電磁波まで行っています。4年生でそこまで・・・という意見もあるかもしれません。しかし高周波回路設計をする上で、表皮効果は必要不可欠です。否、交流大電流を流す上でもその知識は要りますよね。教え子達が就職して、無知を叩かれるのは忍びないので、表皮効果を教えることを目標に授業計画を立てたら、ついでに電磁波までやっちゃいました。
しかしながら電磁気学という学問全体を考えた場合、やはり特殊相対性理論まで行って完結かなと思います。なぜなら、相対論を考慮しないと、Maxwell方程式からローレンツ力が導出できないからです。Maxwell方程式から導けないものが残るなんて、何か落ち着かないですよね。
というわけで、そこを補うためにこの補講を行っています。希望者のみの参加にして、かゆいところに手が届くスケールで行っています。
そもそも、学問というものはこうあるべきだと思います。強いられて行うのではなく、自ら知りたい・学びたいという気持ちが大切です。高専の厳しいカリキュラムではそれを見失いがちです。何のために学ぶのか?
伸びたい気持ちのある学生達に、自分の手の届く範囲で、伸びる方法を教えています。まあ、年の功っていうやつですかね。
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