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卒業式 ~ 教うるは学ぶの半ば ~

 週末は卒業式でした。

 こちらに来てから、初めて授業を持った学年でありました。着任早々コロナで、顔も何も知らないまま遠隔授業から始まりました。

 高専というものをよく知りませんでしたので、試行錯誤の日々が彼らに迷惑をかけたと思います。

 全体の式の後は、コース別の式でした。私は通路の傍らに座るただの列席者であり傍観者の一人でしたが、一人の学生が私の前を通って、深々と礼をしてくれました。ま、私にはそれで十分かなと。

 大切なことは、知識や経験を笠に着て、上から目線で学生の人生を決めつけることではありません。例えそれが正しかったとしても。そうではなくて、同じ目線で対等に付き合うことだと思います。言いたいことを言うと同時に、言いたいことを言わせる。

 間違えることは、予防接種みたいなものです。正しさだけを一方的に植え付けても、育ちはしません。角を矯めて牛を殺すだけです。答えは自分で見つけるもの。

 しかし、そんなことも何歳までできるかなーと思いつつ。歳を経て立場が重くなっていけば、そうも言ってられません。

 最近流行の言葉で言い換えると「寄り添う」なんでしょうが、この言葉も上から目線の印象を拭えませんね。

 「教うるは学ぶの半ば」です。

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アルバイトと品質保証責任

 学生さん達の中には、アルバイトをしている人達がいます。そのこと自体はどうこう思いませんが、過度に行って本業である学業に支障を来す人達が中にはいまして、これは問題です。

 そんな人達がアルバイトをする正義に挙げる理由として、「社会経験を積む!!」というのがあります。しかし企業人だった立場から言わせてもらえれば、「それは社会経験にはならない!!」です、はい。

 働く、すなわち社会に対して生産やサービスで貢献する際、必ず「製造者責任」、言い換えれば「品質保証責任」が伴います。お客様が安心・安全に生産・サービスの利益を享受するためには、必要不可欠な責任です。だって、不良品、例えば毒入りがあるかもしれない食品なんて、誰が買いますか? 社会が崩壊しますよ。

 アルバイトには通常、このような品質保証責任は問われません。好きなときに働いて、好きなときに休み、好きなときに辞めることに、品質保証なんてものが付いてくるはずがありません。品質保証責任のない労働なんて、社会貢献にはならないし、社会経験にもなりませんよ。アルバイトを履歴書に書きますか?

 雇用主の立場からすれば、経営の根幹に関わるような重要業務にアルバイトをつけることはありません。だって品質保証してくれないし。末端の仕事を、安い賃金で行わせているだけです。それ、社会経験??

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無事着陸 or 不時着、そしてFTA

 後期授業が終了しました。今期は、CLコース出張を含む新規科目に初の研究室卒業生と多忙でした。どうなることやら・・・と頭を抱えていましたが、まあ何とか無事着陸しました。いや、最後の最後でコロナで大混乱でしたので、不時着かな。

 さて、どんな仕事も、「人のため」を第一義に考えていると、モチベーションが続かないと思います。「何て自分勝手な人なんですか!!」って? いやいや、これ、「人間の本能」だと思います。

 人のためを前面に出し続けていると、何らか不都合が生じたとき、「お前達のためにやっているんだ!!」と傲慢になります。本末転倒ですね。人様のためが、何様のつもりですか、と。

 人のためって、やりたくもない仕事を自身に納得させるための自己暗示かな、と。ちょっと、極端かな。

 しかし、「自分の成長のため」を第一義に持ってくると、続きます。そう、仕事の中に自分の成長の糧を見つけ出せる人は、とても幸せだと思います。どんな裕福さにも勝ります。

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授業資料

 この後期は新規担当科目が3つ(「4E エネルギー工学演習」、「5E 信頼性工学」「5CL 電気工学基礎II」)もあり、授業資料作りが悩みの種です。この悩みを抱えつつ、研究環境も整備していかなければならないので、大変です。

 年末年始は休みなく、ひたすらPowerPoint職人でした。毎週土日のどちらかは、モ○スターエ△ジーを片手に同じく。週一日は完全OFFとして。

 連休が嬉しかったです。遊べるのではなく、資料作成に集中できるまとまった時間が取れますので。

 そんな日々でしたが、何とかゴールへの目処が立ちましたヽ(^o^)丿

 資料作成には、最善を尽くします。資料を作り上げ、ライブで講義をするのは、何も学生さん達のためだけでなく、自分自身のレベルアップのためでもあります。あやふやな知識を、他人に教える義務を自身に課すことで、確実なものにできる。とても喜ばしいことです。

 マイメロママは「男は仕事を間違えると一生不幸よ」と言っていましたが、自分の就いた仕事は天職かなと。

 本日は少し楽に寝られそうです。

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点灯管 for 蛍光灯

 この年末年始は、ファミリーの実家で過ごしています。仕事もこちらでです。残念ながら、著名な文学者が温泉旅館に長期滞在して傑作を執筆する、というイメージではありません。

 ここの蛍光灯が軒並み点かなくなっていて暗かったので、調べてみたところ、点灯管が切れていました。蛍光灯本体ではありませんでした。異界の者との戦闘での定番ネタ、「本体はあっちか!!」的な。

 蛍光灯って、放電現象によって光らせているんですが、これを開始させるにはちょっと高い電圧が必要です。単純に100 Vをかけただけでは、光りません。一度点いてしまえばそんな高い電圧は要らないのですが、「明日から本気を出す!!」的なモチベーションが要ります。そのモ○スターエナジーが、点灯管です。

 そうでないと、簡単に光る、つまり、世の中熱いハートのやる気人間ばかりとなって、疲れますよね。

 最新の点灯管は、トランジスタを利用した昇圧回路でできています。電子点灯管、と呼ばれています。トランジスタは基本壊れませんので、非常に長生きです。ただし、300円程度でちょっとお高いです。回路も難しいです。

 でも今注目したいのは、バイメタルを使った基本的な点灯管の方。50円程度とお安い。いやねぇ、よくこの仕組みを思いついたなあと、つくづく感心します。ピ○△ラスイッチ的な賢さがあります。

(※電子点灯管の価格は6倍でも、寿命は10倍なので、投資するなら電子点灯管かな。)

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図書館と本

 研究室の学生さんに連れられて、校内図書館へ行きました。卒業研究に関係する真空工学の本を探しに。図書館に行くのは有明に来て3回目です。ほとんど縁がありません。

 本校では真空工学に関する本科授業科目はないですし、館内蔵書は開講授業の教科書に近しいものだけだろうなーと思っていたら・・・、おおーっ、魅力的な蔵書に溢れているではないですか!! スイマセンでした。反省します。

 書棚を眺めていると、時間が経つのを忘れます。図書館は良いものです。

 ただし私、図書館で本を借りるのは嫌いです。学術論文雑誌を除いて、本は「自分で買う」ことをモットーにしています。論文雑誌の場合は、必要な論文はその号内の一報だけなので、一々買い揃えていてはコスパが悪いです。

 「必要なときに、必要な本がすぐ手元にある」状態にしておきたいので、魅力的な書籍は買い揃えます。

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電子工学とECLコース

 以前にも載せたように、今期からCL(応用化学/環境生命)コースに「電気工学基礎II」という科目で、電子工学の基礎を講義しています。ダイオードやトランジスタの基本的なお話です。

 授業をするからには、授業資料をつくるために勉強し直します。私はEコースにはいますが、彼らと同じ化学出身なので、自身の経験を基に授業計画をつくることができます。全ての物事を一気に叩き込んでは消化不良を起こしてしまいますので、必要なものを必要なだけ絞って、根本と基本をと取捨選択しています。

 さて世の中の報道で誰もが耳にするように、日本はかつて電子立国と呼ばれ、電子工学は日本のお家芸でした。しかし現在は、韓国や台湾などの周辺諸国に置いてけぼりにされています。それで、「俺たちは何故失敗したのか?」という様々な反省論は後を絶ちません。

 化学と物理と電気を渡り歩いてきた私からすれば、それは「電気と化学の不融和」にあるんじゃないかと思います。授業を進めていきながら特に最近強く思うようになりました。

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高等教育とテストと卒業研究

 本日から後期中間試験です。試験すなわちテストというものから、高等教育について考えていきます。

 個人的には、4年生までの試験はガチガチに行いますが、以降の5年生と専攻科では比較的楽にするようにしてします。もちろん、後者の方が内容は高度ですよ。その理由は、決して手を抜きたいわけではなく、「高等教育をしたい」からです。

 有明高専では、4年生後期から卒業研究が始まります。一般には5年生になってからなので半年早いのですが、これは素晴らしいことだと思います。それは、「卒業研究が高等教育の象徴」と思うからです。

 一般に、授業形態は大きく分けて、3つあります。

・卒業研究
・実験、実習
・座学

 座学は、後期中等教育もしくはそれ以下と思います。要するに高校です。何故なら、学ぶというより、座って「学ばされる」からです。高等教育機関が高等教育機関たり得る根拠の一つは、卒業研究すなわち研究活動があるからです。実験、実習は両者の中間です。

 高専(高等専門学校)と同年代の若者が集う学校には他に、私立専門学校と厚生労働省所管のポリテクカレッジがあります。後者には馴染みがない方も多いかもしれませんが、工業職能訓練を主眼にした専門学校です。高専はこの中で卒業研究を行うことができ、そのため他二者に比して社会的評価が高いです。

 研究というものは、テストやナントカ資格とは違って形のないものであり、点数評価しにくいものです。ですから後回しにされる場合があります。しかし、座学や資格の試験勉強、ましてや落とした単位の取得への勉強に卒業研究を削るのは、「本末転倒」です!! 高等教育を自ら否定して、自らをわざわざ低めて一体何がしたいんでしょうか?

 研究活動というものは、決して専門バカをつくるためのものではありません。未知への探求を通じて、「考える力・まとめる力・切り拓く力」を、時間をかけて養っていくものです。社会で評価される能力はこれらの力であって、決してテストで100点を取る力ではありません。座学や資格は、高等教育たり得る研究活動・探究活動の土台にしか過ぎません。

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2期生配属されました

 研究室の第2期生である4E学生さん達(創造工学科3期生)5名が研究室配属されました。宜しくなのです。

 高等教育は、研究室配属されてからが本番です。それまでの生活は序章であり、成績は仮の姿です。

 それまでの成績は特に気にしません。丸暗記で要領よくこなした100点よりも、地道に不器用に苦労して得た60点の方がはるかに価値があるからです。テストなんてものは、正解が既に分かっていることを時間内に効率よく解くことを求められるだけの、クイズの一種です。世の中には、時間をかけないと分からないことや、またいくら時間をかけても分からないことばかりです。クイズ王が世の中を救いますか?

 例えば、電気磁気学で本当に必要なものはMaxwell方程式ですが、これを解くのは時間がかかるので試験問題は作りにくいです。そう、テストは必要悪でしかありません。

 研究室配属されてから大きく成長する学生さんもいれば、その逆もあります。じっくり考える研究活動は、大器晩成を引き出します。

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教材と研究

 教材は全てオリジナルで作っています。教科書は一応指定していますが、これは主に最終確認と自習用です。最終確認というのは、私自身が誤って理解していないかを確認することです。自習用とは学生さんので、私の伝達法だけでは理解が偏ってしまうかなと恐れるからです。高等教育は高度な分、教授法も千差万別です。

 初等教育、たとえば1 + 1 = 2というのは、誰が教えても大差ないと思います。しかし高等教育となり、内容も高度になってくると、上述のように教授法は千差万別ですから、教える側の力量が効いてきます。何を教えるかよりも、「誰が教えるか」です。

 力量がないと、教科書の字面だけを追って授業することになります。教科書というのは、人類が長年に渡って積み重ねてきた知見をコンパクトにまとめたものです。人類は成功よりも失敗を多く積み重ね、その失敗を都度乗り越えてきたことで、現代の高度文明があります。

 教科書は、失敗をほとんどカットして、成功事例のみを集めたものです。皮肉な話ですが、基本的にそれだけを読んで真に理解できるようにはできていません。失敗せずして成功することなんてないのですから。失敗事例まで組み込んでしまうと、分野によっては、教科書の厚さは富士山よりも高くなるかもしれません。

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CLコースにこんにちは

 本日、5年CL(応用化学/環境生命)コースへの乗り入れ授業「電気工学基礎II」の第1週を行いました。

 化学の世界に戻ってくるのは、博士号を取って以来です。どうも、帰ってまいりましたー。

 電子工学の基礎をやります。トランジスタを使うやつですね。電子工学って、化学の素養があると、割合親しみやすいんですよね。だって、トランジスタ材料を用意するのに化学要りますから。

 固体物理的数式祭りやガチガチ回路計算のアプローチではなく、化学をベースにして、できるだけ数式を使わずに視覚的にやっていきまする。

表紙でござる。

 半年間、よろしくです。

 え? 「Eコースでは数式ガチガチでやっているやないか!!」ですって? だってー、仲良くなるのに数式は要らないでしょ。

 さあ、CLでタクトを揮いますよ。

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