縁あって、産学連携活動とは長年の付き合いです。企業との連携研究や現地訪問はとても楽しみであり、かつ大事にしています。
有明高専へは求人や納品に来られる企業の方々が日々多くおられますが、それはこちらが迎える立場。そこでのトークも楽しいのですが、訪問者の立場の方が学ぶことがより多くあります。
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縁あって、産学連携活動とは長年の付き合いです。企業との連携研究や現地訪問はとても楽しみであり、かつ大事にしています。
有明高専へは求人や納品に来られる企業の方々が日々多くおられますが、それはこちらが迎える立場。そこでのトークも楽しいのですが、訪問者の立場の方が学ぶことがより多くあります。
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有明高専では4年生後期から1年半の間、卒業研究を行います。研究とは、それまでに行っていた座学とも学生実験とも違うものです。そもそも、「研究」って何でしょうか? 考えてみましょう。
私は博士であり、プロの研究者であります。そもそも、私がなぜこの道を志したのから始めましょう。
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毎週、高専教員と地元企業の方々との交流を目的としたオンラインサロン会議が行われています。縁あって、ほぼ毎回参加させていただいております(※忙しいと、時々忘れます。ごめんなさい)。
先週の回では、「電気化学(Electrochemistry)」の話が出ました。電気化学、そう、私の博士号取得分野です(※正確には、その中の「光電気化学(Photoelectrochemistry)」)。
とはいっても、博士号を取ってからは、世の流れに身を任せて物理や電気にシフトしてきましたので、今や電気化学とは疎遠になっています。同窓会で話を聞くらいです。でも、当時の電気化学だけの知識力に、己の限界を感じていた(= 独立研究者として生きていけない)のもまた事実ですけどね。
会議では、ふと企業の方から電気化学について問われることになりましたが、スイスイ答える自分がいました。まあ、そりゃ一応、博士ですからね・・・。川は涸れても、水源はまだ生きているようです。
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今週、学生の皆さんは学年末試験に勤しんでいますが、私の方は佐賀県鳥栖市にあります「佐賀県立九州シンクロトロン研究センター」、略称「SAGA-LS」という放射光実験施設で実験です。ゲストハウスに泊まり込みながらです。
何やるかって? 炭素材料の光電子分光(photoelectron spectroscopy)です。
一般に、物質に光(電磁波)を当て、その透過、吸収、反射などを測定して物質の化学状態や構造を調べることを、分光学(spectroscopy)と言います。光は波長によって、X線などの放射線からコタツでお馴染み赤外線まで分類されます。波長により物質(含生物細胞)への化学的・物理的・生物学的作用が異なりますので、目的に応じて波長を選択します。レントゲン写真も、広い意味では分光学の一つです。
光電子分光では、一般にX線と呼ばれている放射線の一種を使います。私は、光電子分光法の他に、レーザーを使うラマン分光法(Raman spectroscopy)を専門にしています。そう、物理・化学・電気の時空の狭間に生きる人間です。
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ベクトルネットワークアナライザ(VNA)、一般に略して「ネットアナ」を手に入れました。
1万円台で手に入れました。1万円というと学生の皆さんは高いかと思うかもしれませんが、通常のネットアナは少なくともこの300倍は出さないと手に入りません。電子測定装置には色々なものがありますが、その中でもネットアナは最高級品の部類に入ります。高嶺の花です。アイドル級です。
それが今や1万円台で買えるようになりました。中古でもジャンク品ではありませんよ、ちゃんとした新製品です。良い時代になりました。
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2020年11月、研究室が立ち上がりました。第一期生として、4E 5名がやってきました。
30名以上いる各クラスへ授業に赴くことに比較して、数名の配属学生の皆さんと自分のスペースで始終を共にする研究室教育では、責任の重さが桁違いです。場合によっては、一生交流していくことにもなります。門を叩かれたからには、彼らを一角の技術者として世の中に出さなければならないな~と。エンジンのギアを上げなければ。
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高専の特長として、学生達が頻繁に居室に質問にやって来ます。普通高校や大学にはない、良い文化だと思います。逆に呼び出してお説教したりもしますけど。
人にモノを教えるためには、教わる側の10倍勉強しておかなければなりません。
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この度、炭素材料学会の「炭素」という学術雑誌に日本語論文を出しました(炭素 2020年 第293号 80-91頁)。有明高専に来ての第一号です。東北大学 多元物質科学研究所 高桑 雄二教授との共著です。内容は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)という炭素材料のプラズマ成膜と、その反応解析や化学構造解析です。それまでに出してきたいくつかの英語論文のまとめ論文です(※中身に興味のある方は、ご連絡下さい。)。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/tanso/-char/ja/
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