Tag Archives: 教育

EnterとJoin

 人間は組織的な動物です。必ず何らかの組織に属しています。小さいのは家族から、大きいのは国家まで。複数に跨がって。学校や会社など中規模の組織に参加することを表す英語の動詞には、enterとjoinがあります。例えば、学校に入学するときはenterを使い、部活に入るときはjoinを使います。じゃあ会社に入るときは? 答えは、joinです。

 権威ある辞書であるOxford English Dictionaryに依りますと、

enter: to become a member of an institution

join: to become a member of an organization, a company, a club, etc.

という意味となっています。どちらも似たようなものですね。でも、enter schoolとは言いますが、enter the schoolとは言いません。join the companyとは言いますが、join companyとは言いません。theがないのは、具体的な枠のない「機能」を表します。theがあるのは、具体的な枠のある「入れ物」を表します。enter the schoolを敢えて使うなら、それは校舎の工事業者さんなどか言うことですね。学校は工事現場の一つに過ぎないということです。

 つまり、enter schoolは学校教育(という機能)に参加する、すなわち入学するという意味になるので、受け身の学生の立場となります。一方、join the comapnyは会社という人の集団に参加するので、自身は対等なメンバーの一員となります。

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5分前集合完了!!とエリート

 郷里広島県呉市は、言わずと知れた海軍の街。海軍の慣習の一つに、「5分前精神」というものがあります。表現を平たくすると、「5分前集合完了」です。定められた時刻の5分前には準備を完了し、定刻と同時に行動開始するということです。その伝統は海上自衛隊の現在でも引き継がれています。

 海軍(海上自衛隊)と共にある都市なので、小学校・中学校では5分前集合完了は当然のように教えられてきました。成績が良い悪い、素行が良い悪い関係なく、どんな生徒も当然のことと思っていました。遅刻とかありえない環境でした。しようものなら、かなり目立つ存在でした。

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年功序列は嫌いなのと海軍五省

 学生時代はずっと体育会系で過ごしていました。日本の体育会系の特徴と言えば、なんと言っても「年功序列」ですね。私も当時はそれが当然の社会ルールだと思っていました。

 農耕民族で平等性を重視する日本社会でリーダーをもめ事なく決めるには、絶対性のある長幼で決めるのが一番でしょうね。祭礼の役員とか。相対性理論によると世の中は四次元空間(x, y, z, t)ですが、人は時間だけは制御できません。テレビ番組の人物紹介でも、名前と年齢はセットですからね。日本人は年齢が大好きですね。確かに、始皇帝が不老不死の薬を探させるために日本列島まで派遣した徐福さんとその仲間達が我々日本人の祖先であるという伝説もあるくらいですから、日本人のDNAには年齢は最重要ファクターであることが刻み込まれているのかもしれません。

 さてさて、大学時代のある日のことです。練習後のミーティングで1学年下の後輩に言われました。「1歳違うことってそんなに重要なんですか」と(※共に現役合格入学なので「学年差 = 年齢差」でした。当時はですけど(ノД`))。随分昔のことなので一字一句の記憶は曖昧ですが、光景は脳裏に焼き付いています。その後輩は私を慕ってくれていて日頃から仲が良かったので、臆せずに発言してれました。言いたいことが言えないんじゃダメですよね、とは昔から。まとめる立場でもあった私は考えさせられました。「何をもって人をまとめるべきか」と。長幼が全てかと。年月を経た今でも、それは私にとって人生の課題です。

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出ない杭は捨てられる

 電気磁気学や回路設計など、様々な授業を担当しています。しかしどの一つも、大学時代に机に座って教えられたものはありません。研究関係の量子力学も真空工学も物理化学もそう。いや、最後の物理化学は真面目に勉強しておかなきゃならなかったのですが・・・。

 学問とは本来、強いられて行うものではありません。強いられていくら良い成績を取ったとしても、それはほとんど頭に残らず、血肉にはなり得ません。

 誤解を恐れずに言えば、高専生に決定的に足りないもの。それは、学ぶ意欲であり動機。学ばされ、厳しく評価されているから、彼らは見た目には一定以上の学力は身につきます。しかしやらされている立場を続けているならば、所詮は付け焼き刃。卒業したら、いやそれを待たずとも学年が上がると忘れていきます。

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3:7

 先日、ある女性の中央官僚さんとお話をする機会を得ました。その中で、「霞ヶ関での周りはみんな東大などの高学歴ばかり。でも、3割は非常に優秀だけど、7割は使えない」と仰せでした。人物評価というものは女性の方が客観的だと思いますので、正鵠を得ているのかと。男性は嫉妬に狂うからなぁ。これを聞いて「その7割は受験マニアの人達だな」と思い、質問しました。同じご意見でした。

 日本は島国で人の移動も少なく、歴史的に平和が長く続いたため、平等主義が発達しました。一見、良いことです。しかしその反面、手段と目的を反対に扱うようになりました。

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Loving Live

 昨年来のご時世、オンライン授業が流行っています。時世とはいえ、私はオンライン授業が好きではありません。学生皆さんの面前での通常のスタイル、つまりライブが好きです。

 そりゃオンラインの方が理論上、対象人数は∞で不特定の人々に一度に配信できます。一回切りの仕事であり、録画しようものならずっと使えます。

 しかしそんな経済効率だけで良いのでしょうか? まあ、過去似たような話をしましたが、もう一度。徒然なるままに。いや、徒然ではないけど。そこはかとなく。

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人もコンクリートも

 嗚呼、GWが明けてしまいます。結局何かしら業務に追われて、完全OFFとは程遠いvacationでした。教員やっている人は教員の仕事が好きでやっているものなのですが、それでもね~。

 なぜこんなに忙しいのでしょうか? 考えてみます。う゛~ん。

 理由は、「人手が足りない」ということに尽きると思います。「効率化」すべきところはあるでしょう。しかしこの言葉は本義的に、抜本的な改善を意味するものではないと思います。

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受験勉強ってどうよ?

  新年度が始まりました。始まりの4月、何かと多忙です。ホンマに。ホントに。

 周知の通り、高専は大学と同じ高等教育機関に分類されます。中学や高校は中等教育機関(それぞれ前期と後期)です。注意して下さいね。高専は「1年生から」高等教育機関です。というわけで高専は、1年生から徐々に高等専門教育が始まっていきます。3年生の後半になると、大学レベルの専門教育に入っていきます。中等教育の学習指導要領には縛られません。

 高専は4年次から編入学生を受け入れています。主に工業高校から編入してきます。高校は卒業するまで後期中等教育機関、高専は1年生から高等教育機関です。当然、学習進度には差があります。でも機会は平等に与えられるべきと思うので、ただいま編入生諸君対象に補講をしているところです。

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教えられなかった不幸と叩き込まれた幸福

 担当授業で受講学生さん達からアンケート評価(匿名)を受けるというシステムがあります。先日結果が出ました。反省する点もあれば、う゛~んと思う点もありました。

 担当している電気磁気学(電磁気学)のような基礎理論は、忌避されるものです。今も昔も。電磁気学を大好きという人はあまりいないと思います。

 しかし、化学を専攻してきたものの立場から見れば、電磁気学ができる電気の人は尊敬に値します。回路理論は何とかなるかと思えますが、電磁気学は一朝一夕にとはいきません。

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産学連携と緊張感と地元学

 縁あって、産学連携活動とは長年の付き合いです。企業との連携研究や現地訪問はとても楽しみであり、かつ大事にしています。

 有明高専へは求人や納品に来られる企業の方々が日々多くおられますが、それはこちらが迎える立場。そこでのトークも楽しいのですが、訪問者の立場の方が学ぶことがより多くあります。

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