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保身とは何か?

 「保身」という言葉は、良い意味で使われることはありません。しかしながら、世の中にはそう見えてしまう、ないしそう断言せざるを得ないケースが多々あります。良い意味ではない言葉が何故このように多く使われるのでしょうか?

 それは、「能力もないのにその地位に就いている」ということが根本かなと思います。年功序列とかで。日本の組織ではありがちです。ならば潔く辞すれば良いとなりますが、そう簡単ではありません。それは、その人は能力がないのですから、その地位をなくすと生きていけないかもしれないからです。生存本能ですね。能力に相応しくない肥大化したプライドもあるでしょう。

 保身はベクトルを狂わせます。本来顧客、アカデミックで言えば学生さん&保護者、の方を向いていなければならないベクトルが、我が身と組織内政治に向きます。そうして行くうちに、組織は次第に腐敗していきます。大企業や親方日の丸組織にありがちです。自身の腐敗ごときで大船は沈まないと思うからです。何かをすると目立つし、しんどいから、何もせず黙って定年まで過ごせればOKみたいな。

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転生ものとくじ引き

 最近、転生ものの物語が流行っているようです。恵まれない境遇から生まれ変わって、無双して成功していくやつです。

 でも現実には、人生のやり直しって利かないんですよね。相対性理論は四次元で記述されますが、時間だけは人間の制御が利きません。乗り物の速度を上げて、光速にほんの微々たる抵抗ができるだけです。

 これまでの我が人生、やり直したい点はいくつもあります。「ああしとけば良かったな」とは、枚挙に暇がありません。しばしば夢にうなされることもあります。

 しかしその失敗の連続があるからこそ、今の私が形作られているのだと思います。成功ばかりの人生だったら、今の私はいません。もっと優れた人間になって幸せになっているかもしれないと思う反面、成功に驕って身を持ち崩してしまうかもしれないという恐れもあります。

 後悔とは、悔やむことではなくて、明日への道標です。

 結局人生って、自分の能力に見合った落ち着くべきところに落ち着くのかなあと思います。上を思えばキリがないですけど、まあそんな悪くはない現在です。

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卒業式前の一大事

 卒業式を控えて散髪に行かないといけないなーと思いつつ、何かと忙しくて日々が徒に過ぎていました。そんな昨日3/13(水)、日中外に出る用務があって散髪屋さんの前をたまたま通りかかると、「閉店」の貼り紙がありました。

工エエェェΣ( ºωº ノ)ノェェエエ工

 確かにご高齢でしたけど・・・知らなかったです。明後日は卒業式ではないですか!!

 用務を終えて帰宅し、急いで近くの別の散髪屋さんに電話しました。「まだやってますか?」と。

 幸いまだ開いていましたので、事なきを得ました。

 散髪屋さんではお任せなので、お店を変えるのは人生一大事なのです。人生色んな所で過ごしてきましたが、最も気を遣うのは散髪屋さんです。海外でも地球の果てでも宇宙でも行くことは構わないのですが、散髪屋さんの選択には最も気を遣います。言葉や食べ物は何とかなります。

 まあとにかく良かったです。明日は本番です。

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もうすぐ卒業式

 来週3/15(金)は卒業式です。2年に渡る担任生活に終止符です。色々、ホント色々あって人生でトップクラスの多忙な日々でしたが、人生で最も充実な日々を過ごせたと思います。

 これまで最も忙しいと感じたのは、大学3年の時でした。大学1・2年は授業もしんどくなくて、楽勝な感じでした。しかし3年になると、演習に実験に英文購読にと超忙しくなりました。ワケの分からない問題演習に、ワケの分からない実験、ワケの分からない専門英語に四苦八苦でした。

 次に忙しいと感じたのは、4年次の卒業研究でした。ただし、1年お休み期間を挟んでいたので、5年生ですね。光電気化学の道に進みましたので、いや、成績悪くて他に行くところなかったので、余ったそこに進まざるを得ませんでした。

 そしたらいきなり、オペアンプとかロックインアンプとか、化学系なはずなのにガチガチ電気工学の話で困り果て、またまたワケ分かりませんでした。しかし今や逆に電気の教員として、研究室学生達にワケの分からないであろう化学を教えているんですから、人生不思議なものです。

 ドクターコース、つまり博士後期課程は、もはや忙しいという感覚がマヒしていましたので、評価外です。

 いやいや、話が思いっきりずれました。忙しさは、裏を返せば充実であり、幸福です。至らぬ担任を支えて続けてくれたクラス学生達に感謝です。

 あと一週間です。

2/20(火)の終業式にて
先立つアート作成中。

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前面展望と我が人生

 時に気晴らしにYouTubeの前面展望を見ます。前面展望とは、列車の先頭車からの風景のことで、誰もが子供の頃一度は興味が湧いたものだと思います。

 全国様々な路線が収録されていまして楽しんでいるのですが、この度初めて南海電鉄の南海本線を見ました。

 20代前半の若い頃、縁あってよく南海本線に乗っていました。大学と下宿は大阪北部の北摂地域でしたから、大阪府をひたすら南下していました。

 自身の人生で最も血気盛んな頃でした。限られた人生、何か一事を成したい。人生を充実させたい。しかし、何をどうすれば良いのか分からない。理想と現実のギャップにひたすら苦しみもがき、ひたすらぶつかっていっていました。

 今や研究者として、世に名を成している先生方と対等に話をし、そして評価されるまでになりました。ふと我に返ると、不思議でなりません。都度懸命にもがいてきましたが、これといって誇れる努力をしたことがありません。只々人に恵まれ、運に恵まれました。

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今年も来ましたね

 ここ数日、目がかゆいです。かゆいのです。そう、やったきたのです。花粉症が。まだ2月なのに。

 もう記憶の彼方になりつつあるコロナの日々ですが、結局私と親族一同は誰一人感染しませんでした。もちろん、ワクチン接種を含む人並みの感染防御はしましたが、かかる人はかかりましたもんね。

 実は私と親族一同は、インフルエンザにもかかったことがありません。ですから、インフルエンザの症状が分かりません。だって、誰もかかったことないから。予防接種は人並みにしていますけど。

 コロナの予防接種では、「あー、これがコロナなのかな」という軽い発熱症状は出ました。しかしながらインフルエンザ予防接種に関しては全く自覚症状がありませんでした。

 そんな私ですが、花粉症にはバッチリかかっています。若い頃、少なくとも故郷時代と大阪での学生時代はかかったことがありませんでした。ですから症状が理解できませんでした。「都会の人はダメだなー」とタカをくくっていました。

 しかしながら、コロナやインフルエンザと違って、歳を経る毎に花粉症は酷くなってきました。

 とにかく目がかゆいです。目薬必須です。

今年も宜しくお願いします。

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批評と退化と倫理観

 教職にある人がよく行うのが、「学生批評」です。お茶飲みのツマミみたいな感じで、あの学生はどうだのこの学生はどうだのと批評します。これが好きな人は、ホント大好きです。

 でもこれって、教職にある人が一番陥りやすい過ちなんですよね。

 当然の前提として、教職にある人すなわち教える者は教わる者(学生)よりも知識や経験は上です。言わずもがな。学生は足りなくて当然です。学生なんですから。知識・経験が十分だったら、わざわざお金払って朝から来ないでしょう。

 学生が教職にある自分と比べて足りないことに対して「あーだ、こーだ」と批評するのは、心理学的には「未熟な防衛」に当てはまるんですかね。そんなヒマあったら、自己研鑽に努めれば良いのにと思います。研究するとか、実験するとか、論文読む/書くとか。研究室掃除して、装置が被った埃を取り払うとか。まあ、研究に限らずですけどね。

 要するに、「社会に対してアナタは十分な能力ですか?」ということです。学生相手にマウント取っても仕方ないです。

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Copy & Paste

 感想文から論文まで、世の中にはレポート(書き物)という類のものが無数にあります。

 文章・文体というものは、著者自身を表します。著者の生き様を表します。特に日本語は表現性が豊かな言語ですから、その人の人間性が如実に表れます。数式は一つでも、そこへ至る説明の文章は人それぞれです。自然科学の答えは一つでも、その思いは無数です。行間には、著者の思いと悩み、そして人生がちりばめられています。人が携わる以上、無色中立的なんて書き物は存在し得ません。

 さて私、論文を書く際、引用文献には気を遣います。さらにはその文面を参考にすることもあります。しかし、そのままをCopy & Pasteすることはありません。倫理観というよりも、文体が性に合わないからです。どうにも合わなくて、私なりに表現をアレンジします。

 そんなことしていると、しばしば、「文章が理科的ではなくて文学的すぎる」なんて批判されます。文学少年でも青年でもなかったんですけど、そうなる人生だったのかなぁと。自分は無意識でも、他人から見ればそうなのかと。

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挑戦すること、逃げること

 昨日のニュースで、桐島 聡容疑者が逮捕されたという件がありました。ちょうど寮の宿直業務だったので、タイムリーなTVニュースは見られなかったです。

 子供の頃、街中の指名手配掲示板にいつも載っていた人です。それにしても50年の逃亡って、私の人生より長いですよ。

 末期ガンだそうですね。しかし、逃げて一体何を得たんでしょうかね。

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素直じゃないです

 学生指導をしていて、その学生が失敗する度に、「最初から言うこと聞いておけよ~」と思うことが度々あります。でもね、振り返ってみると、一番言うこと聞かないのは私自身だなと思います。

 我ながら、自分で経験してみないと気が済まない性格です。それが成功ならば問題はないです。しかし、それがたとえ失敗と分かっていても、自分でその失敗を経験してみないと気が済みません。そしてその失敗で結局悩み落ち込むんですから、他人から見たら度し難いですよね。

 気が済まない性格なので、他者の領分、つまり他人の仕事には一切立ち入らないように心得てきました。やっていることが気になりますから。しかしそうすると、却って「協調性がない」などと非難されます。我ながら、困った性格です。

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師走を控えて

 今回の仙台への旅の目的は、東北大学での共同実験測定と炭素材料学会年会への出席でした。研究室3年目の目標として学会アピールを掲げていましたが、今回で全て終了となりました。でも掲げたとはいえ、不始末多くエラーばかりが目立った1年でした。

炭素材料学会年会会場の東京エレクロンホール宮城です。雪が少し降っていましたが、さほど寒くはなかったです。

 この1年は、忙しすぎて脳みそがスパークする日々でした。リ○ビタンD、モ□スター、レッド△ルが欠かせない日々で、「もう無理・・・」と何度思ったことか。我ながら仕事はこなせる方だと思っていましたが、さすがにキツかったです。そしていつの間にか、医者をハシゴするようになりました。

 「今倒れても、神さまはきっと許して下さる」とね。

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わらしべ長者

 最近、何かと仕事周りが調子良いです。怖いくらいに。

 装置や実験環境は充実していくし、学生さん達は頑張ってくれるし、学会では評価されるしと。欲を言ったらキリがありませんが、悪くない今現在です。

 こういうときって、大きな落とし穴に落っこちそうで怖いので、気をなるべく引き締めています。好事魔多しですしね。

 そのベースは何かと考えると、ふと見回して、周りに何かと良くしてもらってきたおかげかなと思います。困っていると、どこからか誰かが手を差し伸べてくれて、何かしら身の回りが充実していきます。物だったり、人だったり。正にわらしべ長者です。

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